激情と反抗と狂気の’60~70年代、その時を男たちはどう生きたか。
そして女たちは? 著者の新たなる加筆修正・あとがきも含め、1976年の初版刊行より32年ぶりに甦る、黄金期の海外ロマン傑作集。
実業之日本社創業111周年を記念して復刊。
*収録作品*
■スペインの墓標
一流ラジオ局のプロデューサーが、その地位や美しい妻に別れを告げ、スペインへと姿を消した理由は――。
■優しい狼たち
暴走族ではなく、街道レーサーを自称するオートバイ・グループに不審な事故が頻発する。
■フィクサーの視界
見栄と欲得がうずまくスタジオで、代議士のイメージソング制作に携わる男たちの世界。
■遙かなるカミニト
旧友二人がブエノスアイレスで再会した。思いは、学園闘争吹き荒れた時分のタンゴ喫茶へ。
■グラスの舟
アムステルダムで会った青年は、内ゲバに巻き込まれた「わたし」の弟の最期について知っていたのか。
■夜のシンバル
意欲を喪失していた映画監督に舞い込んだCFの仕事。中国人モデルの父親に会見すると――。